ヨーロッパ買付中…。
今日はちょっと軍物の話です。
先日、付き合いの長いサープラスディーラーから
廃業した軍物屋の在庫を全て(約30t!!)買い取ったと聞き、
早速足を運ぶことに。
古い物はあまり無いかも、と言われつつもファーストピックいう事で
少しの期待を胸に徹底的に掘りましたが…
仕入れできるものはありましたが、大当たりは無く…。
(↑のベールはおっ、と思いましたがウールコートでした...。)
バイヤー続けていればこんな日も多々あるよね…。
むしろこれがバイヤーの常。
が、こんな日々が続くようじゃ、ヤバいやー…。
と心の中で呟いた帰り道、ふと思いました。
今回まとめて数が買えた、
これも、
これも、
これも、
去年、一昨年位までは、永遠に仕入れ続けれる物の様な気持ちでいましたが、
全て今度いつまとめて買えるか分からない物だな、
物自体は見つけれても値段的に合わなくなるだろうな、と。
多くの軍物と民間の古着(vintage)の流通経路は全く違います。
当たり前ですが、軍物の川上、水源は軍からの放出です。
ここ数年各国がこの放出を様々な理由で取りやめたり、絞ったりしています。
(元々放出をしないで処分する国も多いですが。)
そして質実剛健に作られた軍物とはいえ、時が経てば
摩耗し、破け、汚れ…。
どんなに大切にしても古い物は徐々に消耗されていきます。
近年軍物の価格の高騰がヨーロッパでも目覚ましいです。
それが日本に伝播するには少し時間が掛かりますが、
一部の需要>供給の物以外の、今当たり前の様に手に入る、あれも、これも、
数年後には
"物自体が無い"
か
"手の届かない価格"
になっているかもしれません。
明日はかなりの田舎まで新規ディーラーに会いに行ってきます。
軍物と同じ様に枯渇しつつある、民間の古い服を探しに。
"僕らは病気の様なものだ。いくつになっても宝探しが辞められないんだ"
昔聞いた、
老年のディーラーの一言が頭をよぎります。
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